どうも、代表の鈴木です。
今回は、「福祉の仕組み」シリーズ第3弾、「住むこと」についてです。
どのような場所で、どのように生活するか、これはとても大きなテーマです。
障害や病気も多種多様であり、かつご年齢や現在の状況など、
それぞれの方がおかれている状況も様々です。
今回は、いろいろな選択肢の中から、いくつかご紹介させていただきます。
【入所施設】
「障害のある方の生活する場所」というと、こちらをイメージされる方も多いのではないでしょうか?
大きな建物の中で、複数の方が一緒に生活をされています。
日中も建物や敷地内・敷地外の福祉施設で作業や生産活動などに取り組んで過ごします。
住んでいる方の年齢や障害・病気についても様々ですが、比較的高い年齢層の方が多いかと思います。
常に職員がおり、日常的な介助や介護など生活上の必要なサポートを受けることができます。
そこは安心感の一つになります。
反面、生活環境が限られているため、生活の幅は持ちにくい、といった側面もあります。
入所にあたっては、行政の窓口に申し込み、事前面談を受けるなど手続きが必要です。
【グループホーム】
こちらもイメージしやすい方も多いのではないでしょうか。
近年数を増やしてきています。
今までは、一軒家に複数の方が生活を共にするシェアハウスのようなイメージが強かったですが、
最近はマンションやアパートのひと部屋に一人が入居し、自室と別で交流スペースを設けるなど、
一人暮らしにより近いスタイルのものも増えてきています。
また、入所施設のように、大きな建物に複数人が入居する形態ものもあります。
日中は多くが、ホームとは別の作業所や就労に出かけ、休日や朝夕をホームで過ごす、
という過ごし方になります。
朝夕夜間は支援者がおり、日中は誰もいない、というように施設入所のように常時ではなく、
1日の中に支援体制にばらつきがあったりします。
掃除や食事など生活上のサポートは一定受けられますが、ご本人の実践に委ねられているところも多いです。
生活の幅は入所施設より取りやすいですが、支援体制がホームごとにばらつきがあるなど、ご本人の状況と照らし合わせた入居前の見極めが大切です。
【ヘルパーを利用しての単身生活】
生活の場、というと単身生活ももちろん選択肢になるでしょう。
ご本人の状況により、サポートが必要な部分をヘルパーに担ってもらって、
家事や身体介護を受ける、ということもできます。
ただ、ご本人の状況により支援時間に限りがあるので、十分なサポートが受けられないという可能性もあります。
また、単身生活では基本的にご本人とヘルパーだけの密室状態になりますので、どのような支援がされているか把握しづらい、ということも起こりやすいと考えられます。
結局どうすればいいのか?
これはとても難しくて、ご本人やご家族の希望ももちろんですが、お住まいの地域の社会資源にも左右されます。
その中で、何をすればいいのか?ですが、私は以下の3点が大事と考えています。
1.自身でできることを少しでも増やす
状態がそれぞれ異なりますので一概には言えませんが、自身でできること・取り組めることは=サポートが少なくて済むところということになります。ヘルパー利用であれば、その分を他の時間割り当てに回すこともできますし、何より人の出入りが多くなることは、心理的な負担になることもありますので、サポートが少なくて済むことも大事になります。
2.お金の整理をしておく
金銭管理のサポートなどは受けることができても、何らかの名義を動かしたりお金に関する決定は支援者ではできないことの方が多いです。生活の場を検討する時には、お金や財産の関係をどのように考えるのか検討しておくことも大切です。
3.相談できる先を作っておく
生活の場を変える必要があるタイミングというのは、時に急にやってくることもあります。その時どこに相談すればいいのか?と迷わないためにも、日ごろから困った時に話ができる先を作っておきましょう。親族・友人でももちろんいいのですが、できれば福祉のことを知っている方が望ましいです。市役所の福祉課の方、病院の先生(病院内の相談員)など、困った時に相談を聞いてくれ、アドバイスを受けることができる方とつながっておきましょう。
どんな場所がいいのか、いつ動き出すのがいいのか、なかなか難しいですが、まずは身近な方とお話するところから始めてみるのもいいかもしれませんね。